Tesla Motors Model S

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    Impression

    数年ぶりに上海でF1を観戦した。
    メインストレートを疾走するF1マシン。
    後続が狙うコーナー突入時のオーバーテイクを避けるため、
    ストレートのレコードライン疾走し、ブロックを試みる。
    その加速スピードこそ、走る芸術F1の極みだ。
    技術的な話をすれば長舌となるため避けるが、
    要は2009年以降のF1マシンは、
    市販車のハイブリットと同じ原理のKERS(カーズ)システムを使い、
    モーター駆動でブースターのごとく加速する。

    パドックでF1マシンを観ていると、
    まるでリモコンで映像をスキップしたように
    面白いようにF1マシンが加速する。
    これはアイルトンセナのような、
    F1レジェンドの時代にはなかった世界最速レーシングだ。
    そんな走りを体感したい。
    テスラ・モデルS・シグネチャーパフォーマンスなら、
    公道で体感できる。

    このマシンの加速は
    メーカー公表値で0-100km/h、4.4秒となっている。
    これはガソリンエンジンの世界での比較方法である。
    ギアがなくアクセルワークでスピードを
    コントロールするプレミアムEVは、
    すべての速度域で同じように加速できる。
    ただし、周辺の交通状況に最大限の注意を払い、
    ホイルスピンの危険防止のためトラクションコントロールをオンにし、
    頭はヘッドレストに固定しておくことを、強くお薦めする。
    その扱いは、スーパースポーツのそれと、
    まったく同じだ。

    またハンドリングが異次元にある。
    エンジン、そしてトランスミッションという重量物がなく、
    大量のリチウムイオンバッテリーを
    低重心で車体中心部に置くという
    スポーツカーとして理想的な位置にセッティングできるため、
    ニュートラルなアンダーステアとなっており、応答性に優れる。
    そのうえこのバッテリーがボディ剛性を高めているので、
    ABSが作動するフルブレーキング時にも、挙動が崩れない。

    その優れた性能には、このマシンだけのチューニングがある。
    パフォーマンスプラスでは、
    ダンパーやスタビライザー、ブッシュの設定、
    そしてリアトレッドを20mm拡大させて、
    スマートエアサスペンションの持つ
    フラットライドな乗心地とスポーツを両立させている。
    このマシンは、シルバーの純正21インチアルミをセレクトし、
    テスラレッドのブレンボキャリパーとコーディネイトしている。

    テスラというと、環境保護や希少性、
    そしてデザインや室内の広さで評価されることが多い。
    しかしスポーツという視点で見ると、
    化石燃料エンジンではなしえない、
    理想のマシン設計に到達している。
    走りに関して課題は、車両重量だが、
    そこにはピュアスポーツをも凌駕するのではないかという、
    走りがある。

    リベラーラを訪れて頂くようなオーナーたちなら、
    すでに気づかれていると思うが、
    ガソリンマシンの設計を超えたところに
    プレミアムEVの本来の価値がある。
    これから時代はハイブリッドやEVを経て、
    燃料電池へとカーボンフリー化が進むだろう。
    そのとき、クルマはスポーツを忘れるのだろうか。
    いや、次のスポーツを創ろうとしていると、
    テスラは語っている。
    その走りをすぐに試せるマシンは、
    マーケットにはこの一台しかないようだ。