Maserati Gran Turismo

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    Impression

    イグニションキーを回すたびに、
    高揚感をもたらすサウンド。
    理屈ではない、官能で満たされるマシンがある。
    マセラティ・グラントゥーリズモSである。
    このクルマは、スポーツモードでサウンドを楽しむために存在する。

    スタイリングは、
    愛好家ならフロントグリルを見れば気づくだろう。
    マセラッティ100年に渡る歴史の中で、
    最も美しいとレーシングマシンのひとつと言われる
    1950年代の名レーシングカー「A6G」を
    オマージュしている。
    この美しさは、A6Gと同じく、
    ピニン・ファリーナの手によって創られたものだ。

    前後重量配分は、47:53となっている。
    これはFRでリアにMCシフトを配置したバランスセッティングで、
    さしずめ箱根ターンパイクあたりで、
    テールをコントロールしながら、
    スポーツドライビングを楽しむのにちょうどいい。
    440馬力を発生するV型8気筒は、
    フェラーリF430と同じエンジンをベースにしている。
    マシンも、フェラーリ工場で生産されている。

    全長4.885m、ホイールベース2.942mとも、
    ライバルであるアストンマーティンDB9、
    ベントレー・コンチネンタルGTなどよりも長い。
    そのため、古典的なロングノーズデザインながら、室内が広い。
    シートは赤のステッチで
    ステアリングはアルカンタラで仕上げられている。

    スポーツモードを選ぶと、
    このマシンの真価が見える。
    専用設計された2本出しのエグゾーストシステムには、
    サウンドデザインが施されており、
    スポーツモードを選んだ瞬間、バイパスバルブが開き、
    レーシングマシンのようなサウンドが響き渡る。
    その音に、F1モナコグランプリのトンネルを想像するのは、
    私だけではないだろう。

    ガンメタリックで仕上げられた、
    20インチネプチューンアルミホイール。
    通常のグラントゥーリズモの330mmから、
    360mmへと拡大されたディスクブレーキに、
    ブレンボ製キャリパーが備えられている。

    エグゾーストは、音楽だ。
    マセラティ・グラントゥーリズモSは、
    極上の音楽を奏でてくれる。
    ドライバーズシートでステアリングを握るとき、
    あなたは、名演奏家になることだろう。
    官能の昂ぶるままに奏でる、天才として。
    そこには数値では計り知れない、イタリアがいる。