Maserati QuattroporteGT S

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    Impression

    7代目としてすべてのアーキテクチャーが刷新された
    マセラティ・クアトロポルテのGT S。
    このマシンは、
    自らハンドルを握るラグジュアリーサルーンの雄として
    絶大な人気を誇った6代目から、
    新たな進化を遂げている。

    ブレンボ製ブレーキシステムを備えた、
    21インチTitanアルミホイールが、小さく見えることに驚く。
    まずボディサイズがひとまわり大きくなり、
    メルセデスベンツ・Sクラスロングと互角の堂々とした駆体となった。
    アウターの大半をアルミ化し、設計を最適化させることで、
    先代より約100kg減のダイエットに成功している。
    そのため、居住性や積載量が大幅に向上し、
    リアサイドウィンドサンシェードを備えた後部座席で
    180cmクラスの男性が足を組んでもゆとりがあると、
    メーカーアナウンスされている。

    さらに、駆体設計の合理化、最適化は、室内の静粛性をも高めたようだ。
    あのマセラティの猛々しいエグゾーストが、
    室内においてはしっかりと抑えられ、
    攻めなければエンジンが必要以上に吠えることもない。
    4ゾーンオートマチッククライメートを効かせ、
    Bowers&Wilkinsサウンドシステムを存分に堪能できる。
    加えて大型化によって得られたロングホイールベースによって、
    しっとりとしたラグジュアリークルーズが愉しめる。
    その上質な走りには、
    スカイフックダンパーが生む路面ホールディングが大きく貢献している。

    たとえばどうだろう。
    ダウンサイズしても洒脱さを切り捨てないライフスタイルは
    如何だろうか。
    企業をマネージメントする経営者の脚として、
    このマセラティ・クアトロポルテGT Sを選択するというのは。
    時にはアルカンタラヘッドライニングの美しさを
    リアシートから眺める、という選択は。
    ナチュラルレザー・アルカンタラレザー・コンビネーションシートは、
    そんな視線を誘っている。

    ロールスロイス・ファントム、ベントレー・ミュルザンヌ、
    マイバッハ・ランドレー、メルセデスベンツ・Sクラスロング。
    このマシンを
    オーナーが後席に座す、
    ショーファードリブンの新たな存在として加えたい。
    もちろんマセラティだからこそ、
    電動サンルーフを開け、
    INOXスポーツペダルをレッドゾーンまで踏み込み、
    自らステアリングホイール・ウッドインサートを握る
    プレジャーがあることは、
    公然の秘密として。