Aston Martin Virage

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    Impression

    昨今の新車はどこか寂しい、と感じないだろうか。
    スーパーカーであっても、エコロジーやセーフティーを重視するあまり、
    いわゆるダウンサイジングの延長線で語られるモデルが多い。
    フェラーリ488GTBの登場に心躍られている方も、
    もし今の技術でフェラーリがV12を新設計したらと
    妄想しているのではないだろうか。
    フェラーリもモータースポーツの黄金期には、
    V12しか創らなかったのだから。

    そんな中でV12エンジンを基本にした、ブランドがある。
    アストンマーティンだ。
    中でもヴァンテージは、V12搭載の最軽量化モデルとして設計され、
    軽量化というダウンサイジングを行いながら、
    最上モデルにV12を載せることは一歩も譲らなかった。
    その設計コンセプトを具現化したモデルが
    2012年ヴァンテージだ。

    スポーツを目指したモデルであることは、
    フロントマスクが語る。
    フロントバンパー下とボディサイド下に大きく張り出した
    フィン上のエアロデザイン。
    これはこのモデルから最新のアストンマーティンへと継承された
    スポーツデザインだ。
    アストン伝統の斜め12度に開くスワンスイングと共に、
    コンテンポラリーアストンへと受け継がれている。

    脚元には
    純正20インチのグラファイトダイヤモンドターンド
    アルミホイールを履かせている。
    チラリと覗く、アストンロゴが入った
    ブレンボ製キャリパーが、
    このマシンをどこまで走らせるのか、
    オーナーの挑戦をしたたかに待っている。

    マロンブラックのエクステリアカラーにあわせて、
    インテリアカラーはビターチョコレートをコーディネート。
    最新のヴィラージュは少しスポーツデザイン過ぎると
    感じている大人のオーナーにとって、
    このマシンは絶妙のバランスではないだろうか。
    この優雅なる空間には、海外仕様のビスポークとして、
    13チャンネル1000Wの出力を持つ
    Bang&Oludsenサウンドシステムの澄み渡った調べが響き渡る。

    また、パナソニック製SSDナビ(ポップアップ)、
    リアパーキングカメラ、
    ラジオバンド日本仕様と
    ふだんの実用性を高めるイクイプメントも装備されている。
    また美しいクリスタルキーは、落とすと壊れやすいが、
    このマシンにはあらかじめセカンドガラスECUが
    装備されている。
    これはアストンマーティン・オーナーだからこそ
    知っている、実用性ではないだろうか。

    ヴィラージュ、それは「村」という意味のネーミング。
    このマシンには、
    アストン「村」出身だった創業者のひとり、
    ライオネル・マーティンのラストネームから
    生まれた社名に敬意を表したブランド名が与えられている。
    限られた少数の者だけのマシン、
    そしてモータースポーツを愛する者だけのマシン、
    という意図だろう。
    V12を載せるという意思を貫いた
    2012年ヴィラージュには、特別の思いが走り続けている。