Rolls-Royce Ghost

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    Impression

    所有していたヴィンテージワインが飲み頃になったので、
    老舗フレンチをリザーブした。
    馴染みのシェフは、今年はフランスもののジビエが揃わないので
    北欧の稀少なジビエを用意すると言う。
    さて、今宵はどんなマリアージュが楽しめるのだろう。
    自然は、おいしさや美しさを意図せずに作り上げている。
    別の言い方をすれば、
    その感動は見る者の知識によって感じられたもので
    決して自然が作り出したものではない。
    もしクルマの世界に、自然の感動という至高の存在があるとすれば、
    この一台をおいて語れるマシンはないだろう
    ロールスロイス・ゴーストだ。

    何故、ゴーストなのかと訝しがる御仁も多いだろう。
    ファントムでもなく、レイスでもないと
    それは、マリアージュの絶妙さだ
    過去のロールスロイスは、走りが魔法の絨毯と言われ
    たとえばボンネットに銀貨を立ててエンジンをスタートしても
    コインが倒れないマシンが存在したという逸話がある
    さらに21世紀に入ってBMW傘下となり
    スーパースポーツの血を開花させた。
    このラグジュアリーとスポーツというふたつの頂き
    すべてのスーパーカーが追い求める至高のマリアージュにおいて
    ゴーストはどちらも犠牲にせず
    「自然」と存在したかのように成し得ている。

    このマシンは
    ダイヤモンドブラック&シルバーのエクステリアにあわせて
    インテリアもモカシン&ブラックという
    洒脱なビスポークを当然のようにセレクトしている。
    装備は
    コンフォート・エントリー・システムやインディビジュアルシート、
    シアター・コンフィギュレーション、リア・プライバシー・ガラスと、
    ロールスロイスを乗り継いできた方らしい
    熟れた選択をしている。

    ショーファードリブンとして、リアシートに身を沈めるのもいいだろう
    時にはステアリングホイールを操ることも愉しいだろう
    ドライビングに世界のすべてと隔絶したかのような静寂が訪れ、
    ただ意のままに走る刻が訪れる。
    それはロールスロイス・ゴーストだけの贅だ。
    今日は静謐を選ぶのか、あるいは官能を昂ぶらせるのか
    いずれにせよ至高の時間が待っている。

    幾台ものマシンを楽しんできたからこそ、最後にこのマシンを選ぶ
    これまでのクルマ遍歴を振り返り、ゴーストを眺めていた
    そのとき、ひとりのメートルが歩み寄ってきた。
    「シェフがお試しくださいと、申しております」
    そう告げると、目の前にキャビアとシャンパーニュが置かれた
    スターティング・マリアージュだ
    今年最高の晩餐が始まった。