フェラーリ発祥の地・モデナのカラー、
「ジャッロモデナ」を纏ったボディ、
白いスポーツカーボンシート、そして赤いレブカウンター。
この組み合わせを見ると、サーキット走行をと思うかも知れない。
しかし、F1技術をフィードバックし搭載された、
いわゆるパドルシフト「F1マチック」の存在は大きい。

デザインは、当時ピニン・ファリーナのチーフデザイナーを務めていた、
フランク・ステファソンが手掛けたもの。
その後マクラーレンに移籍してMP4-12Cを
デザインしたことからも判るように、
彼はF1マシンの技術を市販車にパッケージングしてきたデザイナー。
F430は、その彼がフェラーリ時代に残した傑作と言える。
フェラーリV8ミッドシップが伝統的に持つ黄金の前後バランスに、
当時のF1マシンの技術が惜しみなく投入されている。

足元には赤く特注ペイントされたカラードキャリパーが
備えられている。
センターのボディ同色ホイールキャップと
フェラーリV8伝統の5本スポークアルミホイール、
そしてレッドキャリパー。
見る者にコーナリングの切れ味を窺わせているようだ。

そしてドライバーとパッセンジャーの身を包み込む、
白いスポーツカーボンシート。
バックレストには、白い跳ね馬が鎮座する。